筋トレをはじめたのは、大学一年の一月だ。
大学に入るまでに一年浪人しているから、20歳になりたての冬のことだ。
大学の四年間は、体育会剣道部に所属していた。
体育会剣道部の週5, 6の練習はきつかったが、ウェイトを使ったトレーニングメニューは特になかった。
一年で入部したての頃は、自主トレーニングとして、高校時代から実施していたランニングと体幹トレーニングに加え、ヨガをしていた。
そういった自主トレーニングを重ねるうちに、自分の体をもっとマッチョにしたいという欲が強まった。
「頑張っているからには、何か見た目から強そうな感じにしたい」という気持ち。
男のさがみたいなもの。
それから、自重の腕立て伏せ、懸垂、スクワットなどを三ヶ月やり込んだ。しかし、なかなか腕と脚が太くならなかった。
その当時は、広背筋や胸筋、大腿四頭筋といった筋肉部位の知識があまりなかったため、腹筋の割れ具合と腕と脚の太さだけが、マッチョのKPIだった。
腹筋はそれなりに割れていたが(今思えば、ただガリガリだっただけだ。)、どれだけ追い込んでも腕や脚は太くならない。
剣道も部内でへっぽこで、体も細くて弱々しい自分が、コンプレックスだった。
せっかく体育会でスポーツをやっているんだから、もっと強く力強い男になりたい。
そういう気持ちが日に日に積もっていたある日、ついに「ジムに通おう」という発想に至った。
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