グループディスカッションで話せない不安
「チャンスは一回きり、、、なんとしても受かりたい。」
「行きたいところは、この企業をおいて他にない。」
そう思う就活生の前に立ちはだかる、「グループ・ディスカッション」(通称、グルディス)という存在。
******
これまで何度もグルディスを突破してきた人であれば、次のグルディスでも自分の実力を遺憾無く発揮し、突破できることでしょう。
しかし、まだグルディスの経験が少ない人や、レベルの高い企業を受けている人にとっては、
「まわりの賢い人達に圧倒されて、何も話せなかったらどうしよう。。。」
「緊張して変なこと言ってしまったらどうしよう。。。」
「いいアイデアが思いつかずに、何もアピールできなかったらどうしよう。。。」
「たまに議論をぶち壊す人がいるって聞くけど、もし同じグループだったらどうしよう。。。」
という不安で一杯かと思います。
******
グルディスはメンバーとお題に左右される分、一人で望む選考よりも不確実性が増します。
私も、就活のときは、グルディス対策の講座など受けたことがなかったので、不安で一杯のまま就活をスタートさせました。
私は、頭の回転が早いタイプでも、斬新なアイデアを思いつけるタイプでもありません。本当に一般的にな人間です。
そんな私ですが、幸いなことに就活中はグルディスで落とされることはほとんどなく、
(グルディス以降の選考では落ちることばかりでしたが、、、、)
この記事では、その時に使っていたグルディスのルーティーンを、シェアしたいと思います。
「できるだけ決まったパターンで乗り越えられないか」を考え抜いた結果、あみ出した方法のすべてを、ここに書き残します。
******
もちろんこの方法が完璧かと言われればそんなことはなく、
私自身、まったくもって優秀な就活生ではなかったですが、
このルーティーンはなかなか効果的だったので、どなたかの役に少しでも立てれば幸いです。
※グルディスのお題のタイプによって作戦が少し変わる場合はあるかと思いますが、基本的にはこのやり方はほとんどの場面で適用できると考えています。
※一応ここでは、「売上を上げる施策を考えよ」タイプのお題を想定しています。
グルディスに受かる「最終奥義 TTF法」= 司会 & 書記 & 発表役に徹する。
私が見つけ出した攻略法は、
「司会 & 書記 & 発表役に徹する」というものです。
***
司会(ファシリテータ役)をやりつつ、自分がホワイトボードに、紙の場合は紙に、議論をまとめます
最後に、司会もして議論も書いてまとめた私が、面接官に発表するのです。
そういうルーティーンをここではご紹介します。
私はこの手法を、「最終奥義 TTF法」
(「徹[T] 底的[T] にファ[F] シリテート側にまわる」)
と呼んでいます。
***
GDでうまれる役割としては、
・司会
・書記
・タイムキーパー
・アイデアマン(アイデアを出しまくる人)
・監視役(議論の方向性があっているかをチェックし指摘する人)
・最後に発表する人(場合によっては、分担することも。)
があると思います。
このルーティーン、「最終奥義 TTF法」では、そのどれになるかを当日にメンバーを見て考えるのではなく、
「司会、書記、発表役をとりに行く。」
とはじめから決めておくのです。
******
大切なことなのでもう一度言います。
グルディスでの役割がどれになるかを当日にメンバーを見て考えるのではなく、
「司会、書記、発表役をとりに行く。」
とはじめから決めておくのです。
選択の余地はありません。その方が、当日の不安も消えます。
以下では、そのために必要なスキル、当日の具体的な行動について説明していきます。
「とはいっても、本当に私に司会がつとまるかな?」
と不安な方も、以下の手順通りにやれば、かならず上手くいくと信じています。
必要なスキル
- 基本的な論理的思考力、会話力。 ←みんな持ってる
- 「私が責任を持って議論を進める」という少しばかりの勇気と責任感。←差別化ポイント
- 他人へのリスペクト。みんなで勝ちにいく意識。
+ - ケースの解き方の基本的な流れを知っていること。ケースを何回か最後まで解いたことがあること。よく使うフレームワークを知っていること。
です。
ケースの解き方の基本的な流れ
課題解決、ケースの基本的な流れは以下のようになっています。
①お題の定義を深掘り・具体化
→②問題を構造化・要素分解
→③ボトルネック特定
→④ボトルネックに対する施策列挙
→⑤効果・実現可能性などで施策をランク付け
→⑥発表
*****
このTTF法という攻略法では、①〜⑥の基本的な流れを体得している自分が、司会&書記になってグループの議論をリードしていきます。
逆に言えば、この流れを知っていて、人の意見をそれなりにまとめられれば、すべてのグルディスで自分の役割をしっかり果たし、チームに貢献しつつ、自己アピールもできます。
具体的なアイデアや施策を考えることは、できるだけチームのメンバーに任せることができるのです。(もちろん、自分も考えて発言はするのですが。)
また他の役割を他のメンバーにふり、彼ら/彼女らも役割を持って活躍できるようなグルディスにすることで、チーム全員がハッピーになります。
そういう、ルーティーンです。
*****
「フレームワークに頼るな。」「公式に頼るやつはクソだ。」「形式にとらわれる人間は、価値がない。」
そういう考えもあります。実際、私もそういう考えは好きです。
しかし、私としてはそれらに対して、2つ反論があります。
・上に挙げたような議論の流れは、基本的に普遍的で、ブレないものである。
・人生がかかった一回きりの選考で、限られた時間で、しかも緊張をまぬがれない重要な局面で、着実にチームで議論を進め、かつ自分を余すことなくアピールするためには、ある程度の正攻法を愚直に実践することの方が大切である。
という考えです。
もちろん、「もっとこうした方がいいじゃない?という声がメンバーからあがり、それに納得できるのなら、柔軟性を持って対応すれば良いと思います。
ただ、基本的には上の①〜⑥の流れにそうかたちで、自分がファシリテートして進めていきます。
そのためには、ステレオタイプですが、以下の有名な書籍達を一通り読んでおくことを、強くお勧めします。(ちなみに、画像の順番は、上からおすすめの読む順番に対応しています。)
3. 東大生が書いた問題を解く力を鍛えるケース問題ノート―50の厳選フレームワークでどんな難問もスッキリ「地図化」!
計30時間ぐらいあれば、3冊を一通りざっと目を通せるでしょう。(全部解き切らなくても大丈夫です。)
将来何か色々考えるにあたっても経験して損はないことだと思うので、ダマされたと思って読んでみる価値は十分あります。
(もちろん、こういう本ばっかり読んでいる就活生が紋切り型なことは十分理解していますが、まぁ読んでいて損はないでしょう。)
次に、具体的なグルディス本番の行動について書いていきます。
グループディスカッション本番の具体的な流れ・受かり方
- 会場には、出来るだけ早く、受付開始後すぐに到着しましょう。
グルディスのメンバーと先に話しておくためです。
会場についた時から、すでにグルディスははじまっています。 - 待合室で、(もし一緒なら)その日グループが一緒の学生に話しかけましょう。
「あ、こんにちは!よろしくお願いします!今日は頑張りましょうね!」
その際に他のメンバーが、どこの大学・学部か、どの企業の選考を受けているのか、どれくら選考の経験があるのかを、しれっと聞いておきます。
******
「どこの大学なんですか?」と唐突に聞くのはさすがに失礼にあたるので、
「じゃあ一回みんなで自己紹介しましょうか!
私は、〇〇大学 △△学部で、就活ではXXや〇〇の業界を受けてます。
よろしくお願いいたします。」
と自分から自己紹介をはじめ、みんなに紹介して欲しい要素を、自分から入れて話します。
その結果、メンバーに外資系企業・銀行・コンサルを夏から受けているような層がいれば、
「この人と協力していけば良さそうだ」や、
まだ就活をはじめたばかりの人が多ければ、
「今回は自分のリーダーシップにかかっているな」
と心の中で戦略を立てます。
*******
待ち時間は出来るだけたくさん雑談し、仲良くなっておくことで、GDの進行を円滑にします。
たとえ他人にそれほど興味がなかったとしても、選考突破のために、とりあえず話しておきましょう。
実際、チームワークに関する研究でも、仕事以外の雑談をするチームはそうでないチームに比べて、パフォーマンスが高いことが知られています。
またこの会話のなかで、グルディス関係なく就活の参考になる情報を聞けたりもします。 - そうこうしていると、面接官が来て、選考がスタートします。
- もし、選考開始前に自己紹介する時間がなかったのであれば、ここ自分が先陣を切り
「では軽く、一人20秒ぐらいで自己紹介しますか。」
と仕掛けます。これを切り出した時点で、司会のポジションになる確率が高まります。 - そして、面接官から、グルディスのお題が告げられます。
みなさん! その瞬間が勝負です!
誰・よ・り・も・早・く、
1. ホワイトボードの前に立つ (紙を使う場合は、それ用の紙とペンを握る。)
そして、
2.「ではまず時間配分から決めていきましょうか!」というセリフを発する。
これができれば、最高の滑り出しです。
そして、この時点で、書記になることが確定しました。
司会と書記を両方やる理由
司会が議論をホワイトボードにまとめた方が、スムーズにわかりやすく議論をまとめられるから。
かつ必ず最後に、
「誰が発表するか?」
となるので、
「では、私がこのホワイトボード書きましたし、他に特別やりたい人がいなければ、私がやらせていただきますね。」
や、
「この部分は〇〇君が話して、この部分は△△さんが話すことにしましょう。」
とリーダーシップを発揮できるからです。 - そのように、自分が司会になって、時間配分を決めていきます。
その際に、知っておかなければいけないのが、ケースを解く基本的な手順です。
上記の「必要なもの」で述べたような①〜⑥のステップに対して、時間配分をみんなで話し合って決めていきましょう。そして、それをホワイトボードの右上辺りに書いておきます。
時間配分が決まったあたりで、
「じゃ、誰か、タイムキーパーしてくれるかな?」
とグループに対して問いかけます。
(自発的に、「じゃぁ私タイムキーパーやるね」と誰かが名乗り出るケースもあります。)
ここまでこれば、あなたは書記として、そして司会としての立場を自然と任されるようになります。あとは責任を持って、議論を進めていくだけです。 - 次は、「ケースの解き方の基本的な流れ」にしたがって、議論を進めていきます。
一つ目は、お題の具体化、定義でしたね。
「じゃまず、お題を具体的にしよっか。」
「ここの『売上』だけど、全店舗にする?それとも、1店舗にする?
1 年にする? 7〜9月に絞る?
あと、いつまでに目標達成することにする?」
とチームに投げかけます。
自分の考えももちろん発言して良いのですが、基本的にはメンバーが考えてくれます。
むしろメンバーの発言を促進し、尊重します。
それを、上手くまとめて、ホワイトボードに書き込んでいきます。 - そしてお題の具体化・定義が終わったら、次は問題の構造化、要素分解です。
「これって、どうやったら構造化、要素分解できるんだろう?」
とメンバーに投げかけます。
そうすると頭のいい人が答えてくれます。
その人の議論の漏れを、頭の良い他の人が埋めてくれることもあるでしょう。
もちろん自分がアイデアを出してもいいですが、繰り返しますが、メインはみんなに考えてもらうことです。 - この辺りで一度、時間をチェックします。タイムキーパーの人に
「今って時間は順調だよね?」
と聞いたりすると良いでしょう。
しっかりとした司会ですね。 - 要素分解ができたら、ボトルネック特定です。
「じゃあどこの要素をいじるのが一番いいんだろう?」
「逆にこのお題の定義だと、この要素は無視していいと思うんだけど、みんなどう思う?」
「どこがボトルネックなんだろう?」
と話題を投げかけます。 - 【注意】このあたりから徐々に、メンバーで意見が割れたり、喋らない人が出てくるので、司会として上手く話を振りながら、まとめます。
経験不足で喋りづらそうにしている人には、
「あれ、〇〇君って、△△県出身って言ってたよね。△△県の場合だと、どうなの?」
といった感じで、こちらから話をふったりします。
また、この辺りから、時間がおしがちになるので、
時間内の上手くまとめられるように何とか議論をまとめておきます。 - ボトルネックの特定、解決すべき課題の特定ができたら、施策をあげていきます。
これはブレインストーミングのようなかたちで、反論は後においておいて、とにかくどんどんメンバーからあげてもらいます。
※反論は、最後の施策のランク付けの際に行います。
目安、だいたい良さそうなものが5個ぐらいでれば十分でしょうか?
出しすぎても最後の施策のランク付けの時間が足りなくなるので、注意が必要です。 - ここまできたら、ゴールはもう目の前です!
最後に、「実現可能性」、「効果」、「コスト」等の観点から、あげた施策のランク付けを行い、一番良かったものを提案します。 - 最後に残った時間で、みんなで議論を振り返り、抜けがないかを確認しましょう。
議論の反省点なども軽く話し合えると良いでしょう。
議論に抜けに自分たちで気付き、正直に申告することも大切です。
そして、「誰が発表するのか?」を決める際に、
「では、一応私がこのホワイトボード書きましたし、他に特別やりたい人がいなければ、私がやらせていただきますね。」と切り出します。
または、
「この部分は〇〇君が話して、この部分は△△さんが話すことにしましょう。」
と権限移譲します。
あなたはここまで、しっかり司会として議論をファシリテートし、それをホワイトボードにまとめ続けてきました。
あなたが一番、上手く面接官に発表できる可能性が高いです。 - 時間終了です。面接官に、簡潔に、論理的に、議論の内容を説明しましょう。
- 逆質問の際は、妥協せず積極的に質問することを忘れずに!!!
- お疲れ様でした!!!!
忘れ物がないように、気をつけて帰りましょう。
※今回一緒だったメンバーと、そのまま一緒にご飯を食べるのも良いでしょう。
(私はそれで就活に関する色々な情報を得ることができました。)
グルディスで受かる人と落ちる人の特徴
一通りTTF法について説明ましたが、グループディスカッションで受かる人と落ちる人の特徴を今一度、整理してみましょう。
グルディスで受かる人の特徴
- 個人ではなくチームで最大のアウトプットを引き出せる。
- 何かしらの役割でチームに貢献しようとしている。主体性・積極性がある。=ある程度発言している。
- 発言が論理的である。
- 自分の頭で考えている。
- チームメンバーの意見にきちんと傾聴して、議論に取り入れることができる。
- チームに心理的安全性*をもたらしている。
*心理的安全性とは、メンバーが「私はこの場にいていいだ」「この場は話しやすい」と感じられること。近年の研究で、結果を出すチームは心理的安全性が高いことが知られています。最近のビジネス界のキーワードでもあるので、ぜひ意識してみましょう。
グルディスで落ちる人の特徴
- 自分のことしか考えていない、個人で目立とうとしているのが、見えてしまう。
- 積極的に何かの役割を担ってチームのために動こうという気持ちがない。人に言われないと何もしない。発言をあまりしない。
- 発言に論理性がなく、印象論や思いつきだけで話している。
- どこかで聞いたことをただまるパクリしようとしたり、他人の意見にコメントを持たない。
- チームのメンバーの意見を頭ごなしに否定したり、深く聞こうとしない。
- ぶっきらぼうな態度や相手を褒める意識を持たず、チームの心理的安全性を下げている。
TTF法は、一人だけ目立とうとする行為ではない
TTF法とは、司会と書記と発表役を取りに行き、徹[T]底的[T]にファ[F]シリテートに回るルーティーンでしたね。
しかし、もしかすると、
「司会と書記と発表役を全部とるなんて、一人で目立とうとしすぎじゃない?」
という印象を抱いた方もいらっしゃるかもしれません。
******
それに対する答えは、Noですが、一部Yesです。
もちろん自分から積極的に役割を担いに行って、主体性とリーダーシップと存在感は発揮します。
そういう意味では、まず個人で目立とうとしていますし、アピールしようとしています。
しかし、その主体性は、先ほど「グルディスで受かる人の特徴」で述べたように、必要なことです。
******
そもそも「ファシリテート」というのは、チームの議論を促進させることです。
チームの議論の進行役、潤滑油となり、チームのみんなが最大限パフォーマンスを発揮することをサポートします。
なので、TTF法では司会と書記と発表役をとったうえで、チームのみんなが最大限バリューを発揮できるように尽くします。
そう、TTF法の肝は、ある程度役割を担って目立ちながら、一人で議論を進めるのではなく、チームの議論を促進させ、チームで最大のアウトプットを得ることです。
最終奥義 TTF法のメリット、デメリット
TTF法のメリット
- 実際、議論をきちんとファシリテートできる学生はかなり評価される。
(私もそういうフィードバックをいただきました。) - 自分がこのグルディスを作り上げる主体となるため、どんな結果であれ、やり切った感を持てる。後悔がなくなる。
- ホワイトボードも書くし、発表もするので、確実に存在感を発揮できる。目立てずに終わることが絶対になくなる。
- 議論の正しい進め方だけを知っていれば、アイデアはそれほど出せなくてもよい。
TTF法のデメリット
- ケース問題を解いた経験がないと、上手く進行できないかもしれない。
他の頭のいい人がやった方が良いということになり、チームに迷惑がかかる。 - メンバーから上手くアイデアを引き出せないと、独りよがりのグルディスになる。
最後に
長文になりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。
大変な世の中ですが、みなさんが本当に行きたい企業に行けることを、心から祈念しております。
ご不明な点やご質問があれば、コメント欄やSNSでお問い合わせください。
コメント